当院では、予防歯科をとても大切に考えています。
今あるご自身の歯を生涯守っていくこと、これは生活の質「QOL」を向上させることにつながるからです。
しかし、「虫歯を作らない、歯周病にならない」だけが予防歯科ではありません。
万が一、虫歯や歯周病になってしまっても、早期発見・早期治療により歯を削る量を最小限に抑えたり、進行を食い止めたりすることができます。歯を失うことになっても、早期にブリッジ・入れ歯・インプラントなどの治療で歯を補えば、臨在歯が倒れ込んだり噛み合わせが変化したりするのを防ぐことができます。これらも、今ある悪循環を断ち切り、残された歯の寿命を伸ばすことにつながるのであれば、広義の意味では予防歯科のひとつです。
予防歯科の方針は、患者様の分だけ存在します。一緒に最適な予防を考えてみませんか?
お口の健康は体の健康にリンクする

お口の健康は、健康寿命を伸ばすことにつながるとの報告が多く存在します。
ご自身の歯による咀嚼刺激は脳を活性化させるため、認知機能の向上が見込めます。また、口腔内にも刺激が加わりますので唾液分泌量が増加し、唾液の役割(自浄、抗菌、再石灰化、緩衝、消化など)が十分に発揮され、虫歯予防や円滑な嚥下につながります。口腔周囲の筋肉も発達するため、若々しい口元を保つこともできます。
歯だけでなく口腔内全体を清潔に保つことも重要です。口腔内の細菌数が減ることで誤嚥性肺炎のリスクを下げることができます。また、細菌数の減少は虫歯や歯周病の予防にもつながります。
歯周病自体は糖尿病やその他の生活習慣病、早産などとも関連することが報告されていますので、健康に過ごすためにも予防歯科は大切なのです。
定期検診の重要性
ご自身での歯磨きで、どのくらいの汚れが取れているかご存知ですか?
様々な研究データがありますが、どんなに綺麗に磨けている方でも、歯に付着した汚れのうち歯磨きでしっかりと除去できているのは60〜70%です。つまり、残りの30〜40%は歯に付着したままとなります。そこで、歯磨きに加えてデンタルフロスや歯間ブラシなどの清掃補助用具を使用すると、清掃性はさらに向上します。それでも、個人差はありますが、残された汚れは数ヶ月すると歯石となってご自身での歯磨きでは除去できなくなります。当院では、患者様の歯磨きの達成度に合わせて3−6ヶ月に1回の定期検診をおすすめしております。
定期検診は、歯石の除去だけでなく、虫歯や歯周病の早期発見にもつながります。ぜひ、「痛くなくても歯医者に通う」習慣をつけましょう。
フッ素塗布およびシーラントの重要性
当院では、歯面へのフッ素塗布や、シーラント処置を行っております。
どちらも虫歯予防のための処置になりますので、原則として虫歯の無い歯に適応となります。
フッ素は歯の再石灰化を促します。再石灰化とは、初期虫歯(歯の表面がわずかに溶けて白くなっている状態)の歯の表面にフッ素が作用することで、溶けた部分が石灰化され強化されることです。フッ素は市販の歯みがき粉やキシリトールガムにも配合されていますが、歯科医院では濃度の高いフッ素を使用します。予防効果を発揮させるために、定期的な塗布が必要です。
シーラント処置は、虫歯になりやすい歯の溝を予防的に埋めてしまう処置です。主に、生えて間もない奥歯の溝に行います。場合により、前歯の溝に行うこともあります。シーラント材にはフッ素も含まれておりますので、歯の強化にもつながります。
フッ素塗布もシーラントも、歯を守ることができる予防法です。効果は永久ではありませんので、定期検診でチェックをしましょう。
予防歯科の流れ
検査
歯周ポケットの測定や、画像検査(レントゲン)によって現在の口腔内の状況を把握します。場合により、必要な検査を追加することもあります。

検査結果の説明、治療計画の相談
検査結果をわかりやすくお伝えし、お口の健康を守るためにできることのご提案をいたします。

予防処置または歯科治療
治療の必要のない方には、クリーニングなどの予防処置や予防指導を行います。治療が必要な方には、適切な治療と予防処置・予防指導を行います。

定期検診
定期検診はお口の健康を守るために重要です。一緒に頑張りましょう。
